ゴルフ会員権業者としての25年
会員権業者になったのが昭和61年6月。
この6月で弊社は25周年を迎えました。
25年の節目でもあり
半生を振り返ってみることにしました。
振り返ると、なぜ
私が会員権業者として生きていられるか考えてみたら不思議な気がします。
厳しい淘汰の危険に何度も晒されたからです。
同時に、振り返ると会員権が見直しされつつあることがおわかりいただけると思います。
社会に出て
某不動産会社で
営業力の基礎を習得しました。
その後、縁あって入社した
大手不動産会社の直系子会社のMカントリー倶楽部で
2000人のうちひとりで約1千人集めることができました。
大きな実績をあげることができ、多数の顧客ができました。
昭和61年に独立し会員権業をはじめました。
バブル前夜で順調なスタートでした。
平成2年にバブルがはじけました。
株、不動産、ゴルフ会員権がバブルご三家と言われました。
最も強烈にはじけたのはゴルフ会員権ではないでしょうか。
名だたる名門コースも値下がりしました。
バブル時の相場と現在の相場(例)
小金井CC(東京都) 4億5千万⇒4千万円
相模原CC(神奈川県)2億6千万⇒900万円
預託金償還請求に耐え切れず
800コース倒産し、会員権がほとんど紙切れ状態に
なったゴルフ場が続出しました。
会員権業者も手ひどい痛手を受けました。
ひとりでやっている業者、
兼業や事務所を持たない業者、
自宅を事務所にしている業者がふえました。
市場(取引件数)はおそらく半分※に縮小しました。
首都圏1都10県譲渡可能なゴルフ場500コース中、取引が活発なゴルフ場は約200コースに減少。
業者・従業員はおそらく半減※していると思います。
市場が半分※に縮小しているのですから半分※になってもおかしくないと思います。
※会員権業界は統計がないので私の推測です。
(会員権業者)の友人や知人がこの間、数人自殺に追い込まれました。
私が同じ目にあってもおかしくなかったと思っています。
知名度のある大手といわれる会員権業者も手ひどい経験をしています。
過剰融資をした銀行・生保など金融機関も多数、再編・消滅に追い込まれました。
現在、市場(パイ)が縮小しているので
会員権業者上位10〜20社しか
会員権では満足にメシを食えない状態になったのではないでしょうか。
バブル崩壊後
・ゴルフ場の大量倒産
・外資の進出、2大ゴルフ場会社(アコーディアゴルフ・PGM)の誕生
・ネット予約の普及
・会計基準の変更(時価・減損会計)
・リーマン、ギリシャショック
・東日本大震災
といった事件・大変動がありました。
バブル崩壊後、膨大な量の個人、法人の会員権が売却されました。
値上がり期待、おつきあいでもっていた会員権が相当数、整理されました。
今年2月の太平洋クラブの倒産で悪材料がほぼ出尽くししたかもしれません。
償還問題は8〜9割ケリがついた可能性があります。
以下例
狭山GC(埼玉県)バブル時1億2千万⇒現在330万円
日高CC(埼玉県)バブル時1億1千万⇒現在260万円
会員権価格と比較してあまりにも高すぎる名義書換料が、このところ
値下げされるようになりました。
トータルな入会費用が少なくすむようになりました。
以下預託金を名義書換料に充当できるゴルフ場の例
東名厚木CC(神奈川県) 現在10万円〜
ニッソーCC(茨城県) 現在20万円
償還を無理やり延長して生きながらえているゴルフ場もあります。
償還問題は完全には解決していません。10%ほどは要注意です。
ただ、現実には会員権相場は償還不能を織り込んだ価格に落ち込んでいます。
いわば倒産(を織り込んだ)価格ないしプレー権のみの価格となりました。
万が一倒産しても被害はほとんどなくなったといえます。
一度倒産したゴルフ場は(預託金がほとんどなくなり)償還問題では再倒産しにくく
なりました。
安心して入会をおすすめできる状況にやっとなった可能性があります。
近くて、会員メリットがあり、ゴルファー憧れのゴルフ場が
値下がりでお求めやすくなりました。
「会員権要らない」から
ゴルフ会員権を買って、入会して
「競技に出たい」
「倶楽部ライフを楽しみたい」
長くゴルフを楽しむなら会員権が必要
会員権が見直される可能性があります。
償還問題に関係ない、古い株式会員制のゴルフ場や預託金が相場以下のゴルフ場など
底打ちの気配があります。
市場が縮小しましたが
首都圏1都10県譲渡可能なゴルフ場500コース中、約200コースは取引が活発です。
弊社は他社にない強みを持ち、営業力がある会社をめざしていきたいと思います。
生き残った幸運を活かしたいと思います。
澤村
平成24年6月23日